VNEXTの会社紹介資料
2023/03/10
近年では、ITを活用した働き方改革やDX推進の動きが活発になっています。
日本企業も新たなシステム開発に着手し、既存システムの見直しを行う取り組みが進んでいます。
しかし、多くの企業が自社のリソース不足や予算の問題などの課題を抱えています。
このような背景から、オフショア開発を導入する企業は年々、増加傾向にあります。
オフショア開発とは、大雑把に言うと、開発業務を海外のIT企業に委託をすることです。
詳しくは、こちらの記事に記載していますので、本記事とあわせてご覧ください。
オフショア開発と聞くと、失敗やトラブルが多いというイメージを持つ方もいらっしゃると思います。
実際にオフショア開発で成功した会社がある半面、失敗している会社も多いのが実情です。
なぜ、オフショア開発で失敗をするのか、その要因を把握し対策をすることが成功へつながります。
今回は、オフショアで失敗する要因と対策を詳しく説明していきます。
目次 |
オフショア開発のよくある失敗事例
1. 納期が守られない
・納期が守られず、大幅にプロジェクトが遅延
オフショア開発では、予定していた納期より遅れることがよくあります。
これは、日本と海外の文化の違いから生じるものです。
日本では納期を守って当たり前でも、委託先の国によっては日本ほど時間や納期に対して厳しくない場合があるためです。
2. 設計と全く違うものができてしまった
・納品されたものを確認したら設計と全く違う
指示はしっかり出したはずなのに、設計と全く違うものが納品されたという失敗例もあります。
開発の途中で、お互いの意識や認識にズレが生じたり、開発先のメンバーが流動的で引き継ぎが上手くされていないことなどが要因に挙げられます。
オフショア会社では、担当メンバーが会社都合や急な退職により知らぬうちに変わっていたというケースもあります。
委託先に全て任せてしまい、確認を怠っていると、このような危険が生じてしまいます。
3. 要件した仕様と違い不具合が起こった
・海外の仕様に合わせて開発されてしまった
海外の仕様に合わせて開発したために、納品されたシステムを日本の機器でテストしたら不具合が生じたということもあります。
仕様の違いを想定せずに開発を進めてしまうと、実際に仕上がったシステムが動かないという事態が発生してしまいます。
4. 品質がよくない
・納品された成果物のクオリティが想定より低い
海外の開発チームに委託した結果、納品された成果物のクオリティが期待していたよりも低かったというのは、よくあるケースです。
オフショア開発ではプログラミングのスピードが速く、成果物が早く上がってくることが特徴です。
しかし、海外では仕様書に書かれていることが全てであり、それ以上の作業を行うことは、ほぼありません。日本では書かれていない仕様も読み取って実装してくれることがありますが、海外では通用しません。
5. 開発予算をオーバーする
・結果的に費用がかかり過ぎた
オフショア開発の失敗事例で一番多いのが、費用がかかり過ぎてしまうということです。
コストを抑えたくてオフショア開発を依頼したのに本末転倒ということがよくあります。
要因としては、大きく以下の3点が挙げられます。
・見積もり時は予算内だったが、開発途中に仕様変更や機能を追加したら費用がかさんだ
・委託先の国で社会情勢や経済状況が安定せず、人件費が高騰した
・急な円安など為替の影響
オフショア開発はコスト削減がメリットの一つですが、見積もり当初からの変更は追加料金がかかります。
また、発展国の場合、急に経済が発展して人件費が上昇するケースもあります。そして、オフショア開発は海外に委託するので為替の影響も出てきます。
ここまでが、オフショア開発の失敗事例です。
このような失敗が起こる要因は何かを次項目より紹介していきます。
オフショア開発で失敗する5つの要因
1. 発注側の管理不足
・進捗や体制の管理をせずに放置する
オフショア開発では、発注側の管理不足から起こる失敗もみられます。
委託先に全て任せてしまい、管理を怠っていると納期の遅延や品質の低下を招いてしまう可能性があります。
海外特有の時間に対する意識の違いにより納期が守られなかったり、開発メンバーの入れ替わりによる認識のずれが生じたりすることから品質の低下につながってしまいます。
定期的なミーティングなどで進捗を確認する、メンバーの変更が起きた時の報告を義務化し、引き継ぎに関するマニュアルを定める、などの対策をしておきましょう。
2. 発注側と開発先とのミスコミュニケーション
・言葉の壁と文化や習慣の違い
オフショア開発は海外との取引になるので、言語の問題が発生します。
日本語を話せる相手であれば障壁は下がりますが、英語や現地語の場合はハードルが高くなります。
通訳やブリッジエンジニアを通して開発を進めるとしても、円滑なコミュニケーションがとれていなければ問題の把握ができず、結果的に想定と異なる成果物が納品される事態に陥ることになります。
また、日本人特有の行間を読む・忖度するという習慣がないため、曖昧な指示では相手に真意が伝わらないことがあります。
3. 開発先の不得意な分野を依頼する
・オフショア開発企業にも得意分野と不得意分野がある
開発先によって、得意な分野と不得意な分野があります。
たとえば、依頼したシステムが開発側の不得意な分野、想定していたレベルより低いものが出来てしまった等の不具合が発生する恐れがあります。
4. 実績のない会社に依頼をする
・安いから、なんとなく良さそうだからで選んでしまう
ネット上で探して、見積もりが安い・雰囲気がよさそうだからといった理由で選定すると失敗につながりやすいです。
開発の実績がない会社に委託した場合は、要件を伝えるという基本的な部分でつまづくこともあります。開発は終わったが細かい不具合が続出して使えなかった、ということにもなりかねません。
5. 経済や為替の状況が影響する
・オフショア開発の委託先は、あくまでも海外
主なオフショア開発国には、発展途上国の東南アジア諸国が多いため、社会情勢や経済状態が安定しないことがあります。このため、開発期間が長引いたり、経済成長により人件費が高騰することもあります。
また、海外に委託するので為替の影響も少なからず出てきます。
コスト削減を目的にオフショア開発を選んだ場合、人件費の高騰などで予算をオーバーしてしまう恐れもあるので、あらかじめこのようなリスクを想定しておくことが必要です。
オフショア開発での失敗を避けるための 7つの対策
1. 安すぎる見積もりは理由を確認する
・格安の見積もりを出す会社は要注意
見積もりが相場よりも安すぎる場合は疑った方がいいでしょう。安いにはそれなりの理由があります。
開発メンバーが、インターン生や経験の少ないエンジニアだけで組まれており、テストのプロセスが甘くなっているかもしれません。
経験を積んだエンジニアや日本語のレベルが高いブリッジエンジニア、品質保証などの高スキルを持つエンジニアを開発チームにアサインするには、それ相応の見積もりになります。
なぜ、格安でできるのか、見積もりの詳細をしっかり確認しましょう!
2. 実績のある会社を選ぶ
・プロジェクト案件の分野に対して実績があるか
初めての開発先を選ぶ場合は慎重に行いましょう。
その場合、依頼するプロジェクトと似たような開発実績を持っている会社だと安心です。
すでに実績がある場合は、技術も確立されており、開発もほぼ問題なく行える可能性が高いからです。
選定時に、似たような案件に関して、具体的にどの工程から、どの部分を、どのくらいの期間で担当したのかなどを教えてもらうと、開発先のスキル感が見えてきます。
3. 開発先とのコミュニケーションを密にとる
・オフショア開発の最大の難関は「コミュニケーション」
まずは、開発先がどのような体制でプロジェクトを推進するのかを把握しましょう。
言語は日本語が通じるのか、英語や現地語なのかでコミュニケーション方法が変わります。
英語や現地語であれば「自社または開発先のメンバーに通訳を入れる」「ブリッジエンジニアを入れてもらう」といった手段をとり、言葉のハードルを低くすることで意思疎通がしやすくなります。
また、伝え方やコミュニケーション手段の工夫も重要です。
伝え方としては、日本語独特の表現ではなく、簡潔で分かりやすい日本語を使いましょう。手段では、すぐに連絡が取れるチャットと、顔が見えるビデオミーティングの両方を使うことで認識のずれや課題の把握がしやすくなります。
4. 日本と国民性が近い国を選ぶ
・国民性の相性を考える
オフショア開発は、お互いがパートナーとなりプロジェクトを進行していきます。
そのため、相手と意思疎通をするためには「文化や国民性」の理解も必要不可欠です。
その上で、日本と国民性が近い国を選ぶと、うまくいきやすいです。
たとえば、中国やインドは、一般的に「自分の失敗を認めない」「人に責任転嫁する」「自分の意見が強い」といった性格の人が多い傾向にあります。
国民性の相性が良くない国とビジネスをすると、トラブルになることもあります。
一方、一般的にベトナムやミャンマーの国民性は、勤勉で真面目で日本人と合いやすいと言われています。日本と国民性が比較的近い国の中からベンダーを選定することも視野に入れるといいでしょう。
5. 担当者やメンバーを固定してもらう
・体制や人員はできるだけ固定、変更する場合は対策を決めておく
オフショア開発会社では、担当者やメンバーが流動的なケースが見られます。
体制や人員はできる限り固定してもらい、変更が生じる場合は事前告知の上でしっかりと引き継ぎをしてもらいましょう。
開発前に、メンバーの変更が起きた場合を想定し、引き継ぎに関するマニュアルを定めるなどの対策もしておくとトラブルになりにくくなります。
6. 管理ツールを共有し、管理を徹底する
・開発に必要なものはドキュメント化・共有する
プロジェクト管理ツール、ドキュメント管理ツールの類はオフショア開発先に共有しましょう。
社内にある知見も共有した上でツールを共有し、随時確認できるような環境にすることをおすすめします。
開発先に一任してしまうと、開発後に仕様や設計と異なる成果物が納品されるなどの問題が発生します。発注側である自社での管理が成功につながります。
7. コスト計算を継続的に実施する
・内製する場合と外注する場合のコストを把握する
よくある失敗事例で述べたように、オフショア開発の失敗事例で一番多いのが、費用がかかりすぎてしまうということです。
オフショア開発でコストを抑えるためにすべて外注をした結果、内製した方が安かったということもあります。
すべてを内製した場合、すべてを外注した場合、一部を内製または外注した場合のコスト計算を継続的に行うことで予算オーバーになる事態を防ぐことができます。
オフショア開発で失敗しないためのチェックシート
弊社の紹介やオフショア開発の説明、オフショア開発に失敗しないためのチェックシートが付いた資料です。
無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください!
まとめ
・失敗をしないための大切なポイントは3つ
ここまで、オフショア開発の失敗事例と失敗する要因、失敗しないための対策についてご紹介しました。
オフショア開発を失敗しないために、特に大切なポイントは以下の3つです。
・実績と依頼するプロダクトが得意分野の会社を選ぶ
・ルールを決め、管理を徹底する
・コミュニケーションを密にとる
オフショア開発は、IT人材リソースを好きなタイミングで確保・コスト削減ができるというメリットがある一方、委託会社の選定ミスやミスコミュニケーションにより失敗につながってしまうデメリットがあります。
オフショア開発のデメリットをカバーするために、今回ご紹介した失敗事例や対策を参考にしてみてください。
以下の記事で、オフショア開発を成功させるためのポイントについて分かりやすく解説しています。あわせてご覧ください。